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田園調布動物病院

お知らせ

ウサギの病気 -胃内毛球症-

飼育している動物を病気にさせたくないのは飼い主さんだれもの願いです。
ウサギは犬や猫と違ってなかなか病気の症状を見せようとはしてくれません。
症状が現れてからあわてるのではなく、日頃から飼育管理に注意して未然に病気を予防していきたいものです。
また、症状が見られた場合には、あまり様子を見ずに、かかりつけの先生に相談しましょう。
ウサギは、早ければ早いほど病気の回復は早いですが、遅れれば遅れるほど、合併症を引き起こし、治りにくくなってしまったり、手遅れになることさえあります。
「ウサギの病気」では、毎日の飼い主さんのちょっとした心がけで予防にできる病気を中心にポイントを挙げて解説します。



ウサギは自分で毛づくろい(グルーミング)を行うことによって日常的に自分の被毛を飲み込んでしまっています。
そのこと自体は正常な事なのですが、何かのきっかっけで胃内に毛が停滞してしまい、毛球を形成し、胃の機能を低下させたり、胃の出口に詰まってしまい食欲低下や食欲不振をよく引き起こします。
一般に高齢になるほどその率は高くなります。
成分の多くは自分の被毛ですが、その中にはタオルやジュウタンなどの繊維の異物が含まれることもあります。

【症状】

元気消失、体重の減少、糞便量の減少など漠然とした症状のケースも多く、様子をみたりして発見が遅れると重症になることもあり、胃潰瘍を起こし、胃に穴があいて急死してしまうこともあります。
歯ぎしり、食欲低下、元気消失などの様子が見られて時には、なるべく早めに動物病院に相談しましょう。

【予防のポイント】

予防には特にアンゴラなど長毛種であれば、日頃からまめな被毛のブラッシングを心がけます。
また毛球除去剤を与えたり、蛋白分解酵素を持つパイナップル果汁(生のパイナップルやパパイヤのジュースなど)は、毛球を崩す効果があるといわれています。
飼育下のストレスも結果的に過剰なグルーミングを起こすので、退屈させたりストレスを与えないよう、適度な運動を心がけることも大切です。
また、部屋の中で遊ばせる時には、絶対にタオルやジュウタン、カーテンなどを噛んで遊ばないように対処する必要があります。
餌に含まれる粗線維は、胃腸の機能を高め、胃内の内容物の小腸への通過を助ける働きがあると考えられるので、はじめからワラや乾草、牧草などを食べるようにうまくしつけておくことがよいと思われます。

【治療】

治療には、鉱物油を飲ませて胃をマッサージしたり、内科的に消化機能改善剤、食欲増進剤、点滴などをして毛球をうまく通過するように処置します。
急性のものでは、内科療法が間に合わないことも多く、外科的に胃を切開して胃内に停滞した毛球を摘出する必要もあります。

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胃内(白い部分)に毛球の形成がある

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手術によって摘出した胃内毛球(バリウム造影像)