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田園調布動物病院

お知らせ

仔犬とのお付き合い

初めて家にやってきて仔犬は、ほんとうに不安な気持ちでいっぱいです。まずは、部屋の中に仔犬が落ち着いてゆっくりと休め、安心して眠れる環境と場所(ハウス)を用意しましょう。
仔犬の仕事は「寝ること」「食べること」と言っても過言ではないほど、一日のほとんどを食べて、寝て過ごします。眠っている間は、可愛いいからといって触りたいからと起こしてはいけません。お家に落ち着くまでは、ムリに遊ばせたりせず優しく見守ってあげましょう。

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☆仔犬の「社会化」の大切さ

飼い主の言うことをよく聞き、穏やかで落ち着いた犬に育てるには、幼いころの生活環境が大きく影響してきます。この辺りは人間の子供と同じことが言えるかもしれません。しっかりとした社会化を身につけるには最低生後2ヵ月までは母犬と過ごすのが良いと言われています。
仔犬の成長は生後2~3週目には目が開き、耳が聞こえるようになり、歩くようにもなります。そして生後30日あたりの離乳時期には、母犬から独立し、兄弟犬とじゃれたり競争したり、また人間を意識するようになります。
生後3~12週(約3ヶ月)までの時期を「社会化期」と呼び、仔犬が母犬や兄弟犬との遊びの中で、犬社会におけるルールを学び、仔犬は自分が犬であることを認識していきます。早い時期に母犬や兄弟犬から離してしまうと将来も犬を怖がることがあり、多くの人間に触られないと、見知らぬ人やものに対して警戒心を持つようなったりもします。
したがって、この3ヶ月までの時期がその後、長い人生(犬生?)を送っていくうえでとても重要な時期といえ、もちろん仔犬を育てるにあたっても重要な期間になります。
しかし実際には、ワクチンを接種していないと、野外で他のワンちゃんと接触するのは難しいので、可能な限り飼い主さんと良好なコミュニケーションを図ったり、安心できるパピーパーティーに参加するなどしっかりと「社会化」をさせていくべき充電期間といえるでしょう。
ここで「社会化」を十分に認識しないままでいると、大きくなってからさまざまな問題行動を起こすようになってしまうことがあります。生後14週目ぐらいまでは、多くの人と接する機会を作り、ほかの動物やものに慣らすことによって社会性を身につけさせましょう。

☆食事はどうしたらいいの?

仔犬のころの食事は、良質で栄養価の高い「子犬用」「パピー用」のドッグフードを与えます。(総合栄養食の表示のあるのフードを選びましょう。)離乳食として与える時は、ドライフードを十分にふやかし、生後30日(離乳時期)ぐらいからは徐々に固くしていきます。一日の食事回数の目安はだいたい、
     生後2~3ヵ月 → 4~5回
     生後4~5ヵ月 → 3~4回
     生後6~7ヵ月 → 2~3回
です。
仔犬は胃が小さく一度にたくさんの栄養を吸収できないので数回に分けて与えます。
与える量は、基本的にフードの袋に明記されていますが、それはあくまでも標準的な量であり、それぞれに個体差があるので常に子犬の身体を触って判断して下さい。また、食べ過ぎで便が柔らかくなったり、下痢をしたりすることもありますので、便を見て判断するのもひとつの方法です。
そしてこの時期に、おやつを与えすぎたり人間の食べ物を与えると、塩分や甘味を覚え、ドッグフードを食べなくなってしまうので気を付けましょう。それと、常に新鮮な水が飲めるようにしておくことを忘れないで下さい。

☆トイレのしつけは?

犬は寝る場所以外で排泄するという習性があるため、別にトイレの場所を作っておきましょう。トイレは特にここ、という場所を決める方法以外にペットシーツにしつける、ということもできます。
仔犬のトイレのしつけは、家に迎えた日からすぐに始めるとよいでしょう。子犬がまず最初に落ち着きなく“くんくん”と床を嗅ぎ出したら、排泄の合図です。抱き上げてトイレへ連れていきましょう。
その上で上手にできた時は、少しオーバーなくらいに褒めてあげます。ここで大事なことは、排尿後のペットシーツや新聞紙を全部取り替えるのではなく、少し臭いを残すことです。なぜなら、犬は排尿した所に再び排尿するという習性があるからです。逆に失敗した時は、消臭スプレーなどとかって臭いを消すことも大切です。
しかし最初から上手にできるものではありません。粗相をしたからといって大声で怒鳴ったり、その場所に鼻を擦り付けて叱ることは絶対にやめましょう。
覚えの早さは、個体によって異なります。あきらめず根気よくしつけていくことで必ずトイレは覚えるようになってくれるでしょう。

☆散歩はいつから?

野外における仔犬の散歩はワクチン接種の関係から生後3ヵ月以降でないとできません。
生まれたばかりの仔犬は初乳を飲み、母犬の免疫を受け継ぐことによって、様々な伝染病から身を守っています。母乳の時期が過ぎ、生後60日前後が通常第1回目の予防接種となります。ただし、この時母犬からの免疫が残っている子には、このワクチンは無効になる可能性があるため、その後、生後90日、生後120日と数回に分けて予防接種をすることになります。(以降1年ごとに追加接種)
ワクチンプログラムは、動物病院やワクチンの特性によって異なるので、獣医師の指示にしたがって接種して下さい。約3ヵ月で2~3回目の予防接種が終わり、約2週間で免疫を獲得します。ここまでやって初めて、屋外へ散歩に行けるというわけです。

以上、仔犬と暮らし始めたときに知っておかなければならない最低限の知識になります。仔犬の時期は、あっという間に過ぎてしまうものです。この短い一瞬のあいだに様々な経験をさせ、人と犬との間に信頼関係を築くことができたら、その後はとても素晴らしいドッグライフが待っていることでしょう。