ミドリガメ、クサガメ、ゼニガメの飼い方 ★Part1★
~まずは知っておくべきこと~
このページでは、当院でカメの中でもっとも来院する件数の多いカメさん、すなわちミドリガメ、クサガメ、ゼニガメの飼い方を紹介します。
はじめに、これらのカメさんを飼育するにあたり、絶対に忘れてはいけないことをいくつか。
その1◆ 始めは小さくても大きくなります!
これらのカメさんは、大きくなると、甲羅が20センチにもなります。20センチって大きくないと思われるかもしれませんが、お家にある、お皿の直径を計ってみてください。大きなパスタ皿でも20センチ程度になります。したがって、大きなお皿くらいになると思えば大体の大きさは想像できます。
それなりの、設備が必要となりますので、それらを計画して飼育しましょう!
●こんなに小さなカワイイカメさんも、数年後には
●こんなに大きくなります!忘れないでください
◆その2◆ 基本的に水の中にいるカメさんです!
これらのカメさんは、元来、大きな池や川に住んでいる動物です。ですので、どこまでもスイスイ泳ぐことが大好きです。
しかし、水槽という限られた場所では、水槽越しにバタバタとしてしまいます。これは、仕方の無いことなのです。
しかし、飼育者の方の中には「溺れそう!」「水が嫌いで出たがっている!」「狭くて可哀想」と解釈して、いつやら、お部屋の中(お部屋の床)で飼う方がいます。
実は、これはカメさんにとって、非常に過酷な環境なのです。正常なら、甲羅はツルンとしていますが、部屋で放し飼いにしていると、デコボコの甲羅になったり、カサカサになったり、水分不足の環境で最後には腎不全で死んでしまいます!
●乾燥によって反ってしまった甲羅。なかなか治りません
◆その3◆ 水は大好きだけど、必ず、甲羅干しできる陸地が必要ですよ~。
よくあるケースが、小さなカメさんの頃は、砂利や岩で陸地を作ってあげていたけれど、大きくなって、それに見合う陸場を作ってあげることが出来ず、ずーっと、水の中で過ごしているカメさんもいます。陸にあがって完全にからだを乾燥させないと、皮膚病になってしまいます。
●皮膚や甲羅が細菌やカビで白くなってしまう
◆その4◆ カメさんは、寒くなると冬眠します。
ミドリガメやクサガメは、北半球のカメさんです。したがって、冬から春にかけては冬眠をします!この冬眠ということばの意味ですが、冬に代謝を最大限落として、眠る、ということです。
冬眠するには、凍らないレベルで充分に寒い環境と、甲羅の厚さ3倍以上の深さのある水が必要です!冬眠すると、ほとんど動かなくなります。
よくない飼い方の代表としてよくみられるケースでは、春から夏にかけては餌をバクバク食べていたのに、冬になり暖房の入るリビングに置いていて、動きが鈍くなって、食べなくなった。冬は冬眠だから食べなくて当たり前!というもの。
カメさん、冬のリビングでは、ゴソゴソ動いているけど、春まで餌を食べない。
これは、餓死ギリギリで耐えているだけの状態であり、冬眠とは異なります。冬眠は、あくまでも寒いところで眠っている状態です。冬眠状態でない餌を食べない状態は、飢餓であり、いずれ病気になってしまいます。一般に、冬眠テクニック難しいので、小さなカメさんやカメ飼育ビギナーの方は、冬眠をさせるのはやめて保温して飼ってあげましょう。
●冬場には、安価で取り扱いの簡単な水中ヒーターを使うと良いでしょう
●不適切な給餌や冬が明けてによく起こる、ビタミンA欠乏で目が腫れて開かなくなる病気