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田園調布動物病院

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半水棲カメの飼育

ここでいう半水棲カメは、縁日などでよく売られ、通称ミドリガメと呼ばれている、アカミミガメや、日本の池や川に棲息しているクサガメやイシガメのことを指しています。これらカメは、カメ全体の中でも、丈夫で比較的飼育しやすい種類といえます。しかし一方で、不適切な飼育環境では、簡単に病気に陥ってしまいます。
これらのカメを飼育する為には、飼育初期にしっかりと飼育設備をそろえてあげなければいけません。時には、設備投資がカメ本体より上回ってしまう、ということさえあります。決して金魚鉢や洗面器ひとつで安易に飼育できる動物ではないということ知っておかなければなりません。



◆ヌマガメの仲間(アカミミガメ、クサガメ、イシガメなど)

・飼育ケージ

ヌマガメの多くは、生活場所を池や川、沼などで暮らしています。普段は水の中で餌を摂ったり活動していますが、休んだり日光浴をするために陸に上がったりします。したがって、飼育環境も水場と陸場の両方が必要になってきます。
飼育ケージには、水槽や衣装ケースなどを用います。大きさに関しては個体に合わせて大きくしていますが、だいたい甲長の5倍程度の幅のケージが必要とされています。本来、泳ぎは上手な種類のカメですから、水深はおよそ甲羅の厚みの3倍以上になるようにします。水深のある方が立体的に動けるので運動不足の解消にはなります。しかし、水槽などの上部の方まで水を張ってしまうと逃げ出してしまうので蓋を取り付けるなどの対処が必要です。
水換えは、こまめに行うに越したことはありません。濾過器を取り付けても構いませんが、見た目は透明の水でもアンモニアなどの有害物質はろ過されませんので、濾過器を取り付けたとしても、やはり定期的な換水を行います。
ヌマガメは、生活の中心を水中で過ごしますが陸にもよくあがります。自然界でも陸にあがり日光浴をすることで体温や代謝を高めてから活動をはじめます。陸場は、レンガや石を積み上げたり、カメ用の浮島などが市販されているのでこれらをうまく利用するとよいでしょう。

・照明

カメを飼育するうえで照明はとても大切です。照明設備の目的には2つあり、一つは光源して、もう一つは熱源としての役目を果たします。
光源としての照明は、中波長の紫外線が出る蛍光灯を用意します。飼育下では太陽光線の代わりの役目を果たします。太陽光に含まれている紫外線には重要な働きがあります。中波長紫外線はビタミンD3の前駆物質をビタミンD3に合成する過程に関与しています。このビタミンD3がカメの体内で活性化されるとカルシウムの吸収を促進する作用があります。逆に、中波長紫外線、ビタミンDのどちらかが欠けてしまってもカルシウムの吸収がうまくいかず、丈夫な甲羅や骨を形成できなくなってしまいます。
最近では、爬虫類専用の中波長紫外線の出る蛍光灯が各メーカーから市販されています。爬虫類を扱っているペットショップで購入できます。
もちろん、時間があれば屋外で直接日光浴をさせて構いません。ただし必ず日陰の隠れる場所を作っておき日射病などにならないように気をつけます。
熱源としての照明は、スポットライトと呼ばれ、その光が当たる部分はホットスポットと呼ばれています。スポットライトにはレフ電球や白熱球を用います。

・餌

アカミミガメ、クサガメ、イシガメは自然界では、基本的に甲殻類、魚類、昆虫、水草などの様々なものを食べている肉食傾向の強い雑食性のカメです。飼育下でも、魚やエビ、砂肝やハツなどの動物質と少量のコマツナやチンゲンサイなどの野菜をバランスよく与えます。実際には、バランスよく与えるのも大変ですので、ペットショップには良質のヌマガメ専用飼料がペットショップで市販されているので、それらを与えれば健康に育てることが出来るようになっています。
乾燥イトミミズは乾燥したエビは、非常に嗜好性もよく喜んで食べてくれるのですが、それのみではビタミンやミネラルの不足を招くので、あくまでも補助的に与え、良質のペレットを主体に与えましょう。

・温度管理

カメは体温を自らの体内で産生すことがほとんどできない外温動物です。したがって飼育下では、カメが健康に活動できるように飼育者側が適切な温度管理をしなければなりません。
アカミミガメの本来の生息地は北米、クサガメやニホンイシガメは日本です。基本的に、夏は暑く寒い冬がある温帯域に住んでいるカメたちです。これらのカメは、寒くなると冬眠をすることで冬を乗り越えます。夏場は無加温でも飼育できますが、冬場は保温が必要となります。水温は水中ヒーターなど用いて23~26℃くらいになるように設定します。飼育下での冬眠は、リスクを伴うので保温をしてなるべく冬眠させないように飼育した方が結果的によいケースが多いようです。調子が悪いカメや仔ガメを冬眠させると、春先に冬眠からうまく覚めずトラブルを抱えしまうケースが多くみられます。
陸場の温度はスポットライトを使って30℃前後になるようにしておきます。カメはこの場所で甲羅干しを行って体温を高めます。

●半水棲カメのケージセット例●

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