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田園調布動物病院

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フェレット -総論-

●フェレットの起源

フェレット(Mustela putorius fulo)は、犬や猫と同じ食肉目に属しています。イタチ科に含まれており、その仲間にはラッコやカワウソなどもいます。フェレットは、ヨーロッパケナガイタチやステップケナガイタチを起源とした動物であるといわれてきましたが、ほんとうのところはよくわかっていません。そのフェレットが人間と関わりを持ち、共に生活するようになった歴史はとても古く、古代エジプト時代にまでさかのぼるといわれています。そして現在に至るまで約3000年もの年月をかけて家畜化されてきました。かのエリザベス女王の肖像画にもフェレットと思われる動物が一緒に描かれています。
フェレットは、イタチ科の特性である狩猟本能を生かして害獣であるネズミの駆除やハンティングとしてウサギ狩りなどに利用されていましたが、1950年代に入ると実験動物として扱われるようになりました。フェレットと人間とでは、インフルエンザに対する反応が同じことから、主としてウイルス性疾患モデル動物として研究に使われました。そして1980年代に入るとその持ち前である「陽気な性格」「気だての良さ」「遊び好き」を理由にアメリカ、イギリスを中心として本格的にペットとして飼育されるようになりました。


●ペットとしてのフェレット

そのように人と関わりをもった歴史はとても古いのですが、実際に日本へペットとして輸入されるようになったのは、わずか十数年前のことです。まだその当時は、爬虫類やエキゾチックアニマルを専門に扱う、いわゆる珍獣ショップにのみ売られていました。しかし欧米から輸入される臭腺を除去したもの、避妊、去勢手術を施した個体がペットショップに広く出回るようになり、「臭わない」「鳴かない」「散歩に連れていく必要がない」「飼育スペースをとらない」を理由にマンションやアパートでも飼育可能なこともあって、女性を中心として爆発的なフェレット人気を引き起こしました。
しかしながら、一方フェレットの本場アメリカ合衆国では、フェレット用に認可された狂犬病ワクチンがないことや、乳幼児を攻撃しケガを負わす事件が起きたこと、脱走したフェレットが帰化して在来野生動物の生存を脅かすのではないかなどの問題が表面化してきたことで、州法によってはフェレットの飼育自体を禁止するところもでてきました。
いまのところ狂犬病に関して日本は清浄国なのでそれほど大きな問題になりにくいかもしれませんが、乳幼児のいる家庭や脱走、帰化に関しては、今後、アメリカと同様の問題が起こってくるとも限りませので脱走には十分注意が必要です。


●フェレットの性格

フェレットはもともと夜行性の動物ですので、昼間のほとんどを寝て過ごしています。しかしその分、起きているときは、とても活発に動き回ります。遊び好きで好奇心も強く、何か新しいものを見つけるとぴょんぴょんと背中を丸め「クックッ」と声をあげて遊びに誘い出す行動をみせることがあります。逆に興奮したときや警戒をしているときは「シューッ」と鳴いて後ずさりする行動が見られます。したがって、これらの鳴き声を聞き分けることで、フェレットがいまどのような気持ちなのか参考にすることができます。
フェレットは物を集めたがるという性質をもっており、自分のねぐらにお気に入りを引っ張り込むこともあります。噛癖もよく知られた行動ですが、特にスポンジ系のものやコルク、ゴム製品など噛みちぎって遊ぶことを好みます。それらを飲み込んで腸閉塞などの事故を起こしやすいので注意が必要です。同様に電気コードも危険ですので注意が必要です。
フェレットは、狭い空間、暗いところに潜り込むのが大好きです。家の中で放して遊ぶ際には、洗濯機、冷蔵庫や家具の裏などの危険場所は前もって封鎖しておかなければなりません。また自分より小型の動物に対しては、狩猟、攻撃本能がかき立てられるらしく、鳥や爬虫類、乳幼児に近づけてはいけません。


●フェレットの品種

フェレットの品種と言っても、犬や猫のような大きさや体型などの品種改良のことではなく、毛色や生産されたファームなどにより、品種に分けられています。
毛色はガードヘアー(上毛)とアンダーコート(下毛)による組み合わせと、ビブ(喉元の白い模様)やミット(脚先)のパターンによっていくつかの品種に分けられています。セーブル、シルバーミット、バタースコッチ、アルビノ、アンゴラ、ホワイトファーブラックアイ、シルバーなどがあります。またよく知られたファームとしては、マーシャル、パスバレー、NZ(ニュージーランド)などがあります。
そしてマーシャル・ファームで生産されたもので、避妊、去勢、臭腺を除去してあり1回目のジステンパーワクチンが接種してある証明書付きフェレットを特に「スーパーフェレット」と呼んでいます。
臭腺を除去してあるのにウチの子は臭うという方がよくいますが、それは全身に広がっている皮脂腺からの分泌物の匂いです。皮脂腺からの分泌物は、フェレット特有の香り、ムスク(麝香(じゃこう))の匂いを出します。したがって多少とも臭いがあるのは仕方のないことです。