ウサギは、犬や猫と比較して脆く骨折しやすい動物です。それは皮質骨が薄く、かつ硬いために割れやすい特徴を有しているからです。イメージでいうと犬猫の骨は木の棒に対してウサギの骨はガラス管のような構造をしています。 したがって、ウサギの骨折の仕方は犬猫よりもはるかに複雑な割れ方、折れ方をします。バラバラと破片が多い骨折(下写真)になることがあります。
治療方法は、ギプスやテーピングをする外固法や手術による固定方法があります。
外固定法は人ではよく行われる方法ですが、ウサギの皮膚はルーズでギプスやテーピングをしてもその下でよく動きうまく固定ができず、結果的に骨折端が皮膚を突き破り細菌感染し骨が癒合できなくなるリスクが高くなります。
骨折の手術は、通常の犬猫では使うプレート法(金属のプレートをあててスクリューで留める方法)やピンニング法(骨髄に金属ピンを入れる方法)がありますが、前述のウサギの骨の特徴や骨の細さから、有効な固定手術が困難であるケースが多くあります。

創外固定後(右)

まったく普通の生活ができるようになりました。
当院では、ウサギの骨折の手術に対して多くの症例で「創外固定法」という方法を行っています。状況に応じてピンニング法を組み合わせて行っており(上写真)、よい成績を得ています。
足を切らなけばならない(断脚)と診断された症例でも、場合によってはこの方法で治療可能であることもあります。ほかの動物病院の獣医師からの紹介やセカンドオピニオンも受け入れていますので可能であればレントゲン(写メ可)をお持ち下さい。