プレーリードッグは、広大な草原地帯に群れをつくり、トンネルを掘って生活しています。そのため、飼育下の限られた環境では、与えられている餌の関係もあり、どうしても太りやすくなってしまいます。
ヒマワリの種などの脂肪分の高いものは、与えたとしても最小限にとどめておきましょう。また、運動不足解消に部屋の中で遊ばせるといいかもしれません。しかし、何でもかじってしまうので目の届く範囲で放し、特に電気のコードなどは事故のもとですので、十分注意する必要があります。
●プレーリードッグの解剖学
プレーリードッグには頬袋はなく,歯式は
l(1/1);C(0/0);PM(2/1);M(3/3)
lは切歯、 Cは犬歯、 PMは前臼歯、 Mは後臼歯で、計22本です。
切歯は、歯根が開口している常生歯で、リスやハムスターと同じく終生通じて伸び続けます。
歯の色はやや茶色がかっており、咬筋がとてもよく発達しており、咬む力はとても強力です。
プレーリードッグの消化管は、草食動物としては短く単純で、胃は単胃、盲腸で醗酵を行っています。 肛門腺を3つもっており,興奮すると肛門腺を分泌しますが、臭いはそれほど強くなく、飼育するうえでは特に問題にはなりません。
【プレーリードッグの頭蓋骨の模式図】
●生活史
昼行性で,地下に迷路状の巣穴を掘って生活しています。野生下では、雄1頭に母親と生成熟した雌1~4頭という単位で暮らしています。外敵がきたり驚いたりするとげっ歯類では珍しく「キャンキャン」といった警戒声を発することができます。オグロプレーリードッグは、アメリカ合衆国の中央部にある大草原にトンネルを掘って暮らしており、家族単位(コテリー)で集まり、グループ(ワード)を作っています。このワードがいつくも集まって「タウン」と呼ばれる大きなコロニーを形成して高度な社会機能つくりだします。
寿命は飼育下では7~12年ほどといわれています。
繁殖は、季節繁殖動物で繁殖期には精巣が大きく発達し、陰嚢が外部からでも大きく膨らんでいるのが確認できます。他のげっ歯類と同様に雄は、肛門と生殖突起の距離が長く、雌は短くなっています。
【野生下では迷路状の巣穴を掘って暮らしている】
●繁殖
性成熟には生後2~3年を要します。プレーリードッグは2~3月頃が繁殖期で、発情は飼育下では11月頃からはじまります。発情の期間は1週間続くもの、2ヶ月くらい続くものなど様々で、飼育環境下では、日照時間も不規則なので時期も前後します。
発情すると、雄は陰嚢が発達し、性格はとても凶暴になってきます。また雌では陰部が充血してきます。妊娠期間は約1ヶ月で平均5頭(1~10頭)を生みます。離乳までは約42日になります。
飼育下の繁殖は比較的難しく、雌雄一緒にしたからといって、繁殖が望めるとは限らないようです。